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Jリーグ 1年前

湘南はベルマーレであることを忘れた。ミスから自滅…。結果に結びつかない必死のもがき【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

湘南ベルマーレは楽しめてなかった



 ボタンを掛け違ったかのように、何かかみ合わない。得点数は昨季にあと7点と迫る一方でクリーンシート(無失点)がなく、失点数は昨季にあと1に迫る。迷い、恐れ、戸惑い……。クラブスローガン「たのしめてるか」の対極にあるようなプレーがピッチに表出してしまっている。

 チームは生き物とよく言われる。原因を1つに絞ることはできない。開幕からかさんだ失点を減らそうという意識が攻守のバランスを崩してしまったのかもしれないし、失点しないようにという意識が判断を鈍らせてしまっているのかもしれない。山口智監督が常日頃から大切にしている準備や予測といった部分が大事なのは言うまでもないが、正しい判断をしようとするあまり、実行するまでに時間を要しているようでは元も子もない。

 開幕から数試合のパフォーマンスは、シーズン前に掲げた「5位以内」という目標に期待を抱かせるものだった。それだけに、悲惨ともいうべき現状との差が大きいとは言い切れない。微差こそ大差とは、今の湘南のことを言うのだろう。

「1人でやるのは限界があるし、チームワークとか、チームでやるのが湘南の良さだと思う。ボールを持った選手を追い越していくとか、単純にそういうところだと思います」

 小野瀬の言葉にもある良さは、今の湘南にはない。ミスが続くとボールを受けるのを恐れ、3人目、4人目の動きが明らかに乏しくなる。湘南はベルマーレであることを思い出せなくなってしまった。山田も鳥栖戦後に危機感をにじませていた。

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