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Jリーグ 1年前

クラモフスキーの要求とFC東京の再出発。勝因は「この1週間で取り組んだこと」【英国人の視点】

シリーズ:英国人の視点 text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

「私は幸運だったと思う。なぜなら…」



 2020シーズンは25試合で清水エスパルスを去り、今年初めの5連敗でモンテディオ山形を去ったクラモフスキーにとって、結果は常についてくるものではなかった。ただ、素晴らしいチームスピリットを育み、選手たちの信頼を集める彼の能力に疑問が呈されることはなかった。

 これまでの日本での経験がどうだったかを問われた指揮官は、「どんな状況も同じではない」と言う。2019年に横浜F・マリノスでアンジェ・ポステコグルー監督のアシスタントを務めた際にJ1を制した経験もある。「シーズン途中での就任は簡単ではない。でも、私は前にもやったことがあるし、うまくやった」

 2021年5月に監督に就任したモンテディオでは、J2残留争いから勝ち点4差でスタートしている。就任直後の12試合で無敗を記録し、最終的には7位にまで順位を上げた。初めてフルシーズを指揮した昨季はさらにいい結果を残してプレーオフに進出している。ただ、ファジアーノ岡山を3-0で下したものの、アウェイでロアッソ熊本と2-2の引き分けに終わった。

「過去や自分の歴史、キャリアのプラス面もマイナス面も、良いことも悪いことも、そこから学んで自分自身を向上させ続けるために受け止めています。それをこのプロジェクトに生かして、クラブのみんなと力を合わせて、このクラブをあるべき姿に近づけたい」

「そして、私は幸運だったと思う。なぜなら、私のキャリアの中で、苦しい時期もあったし、それが私をより強くしてくれた。そして、自分のキャリアの中で、本当に特別で歴史的な瞬間を共有することにも恵まれてきた。そしてその時間を共有したみんなとともに永遠に残る」

 今週末、味の素スタジアムに柏レイソルがやってくる。クラモフスキーは選手たちとともに初勝利の栄光に浸る余裕はないことを自覚している。新監督を歓迎するメッセージを繰り返し見ることも、前任者の悪く言う暇もない。

「やるべきことはたくさんある。今週は本当にハードワークした甲斐があったし、勝利に値した。これからリカバリーして、次の1週間をしっかり過ごし、また勝てるようにハードにプッシュしていきたい」

(取材・文:ショーン・キャロル)

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