「私は選手たちに多くのことを要求している」
しかし、その約10分後の18分、オリヴェイラはゴールネットを揺らした。鋭い切り返しで野上結貴をペナルティーエリア内でかわし、ランゲラックの届かない低い弾道のシュートを突き刺している。
守備面でも、FC東京は終始規律と自信を保っていた。キャスパー・ユンカー、マテウス・カストロ、永井謙佑といったグランパスの威圧的な前線を寄せ付けなかった。安部柊斗と松木玖生はボール保持、非保持に関わらず、中盤で素晴らしい安定感のあるプレーを見せていた。
「この1週間で取り組んだことが、この試合のキーファクターになった」と試合後にクラモフスキーは語った。
「ディフェンスに安定感を持たせ、ボールを持って攻撃的な場面を作り出した。選手たちの運動量、規律、献身性、そして互いを信じる気持ちが今夜は発揮された。勝利に値する力強いパフォーマンスだったし、彼らを誇りに思う」
「トレーニングで取り組んだことはすべて今夜実行できた。もちろん、改善すべき点はあるし、それは継続的なことで、より良くなるために自分たちを押し上げることをやめることはない」
「毎日の準備の仕方から、試合中の運動量まで、私は選手たちに多くのことを要求している。今夜はいい勉強になった。ハードワークし、協力し合い、ボールを持っているときもボールを持っていないときも自分たちのプレーを貫く。自分たちがなりたいチームになるために、これからも努力を続けていく」
80分にオリベイラの2点目をアシストし、勝利を確実なものにした安部は、新監督の熱意をすぐに理解したようだ。
「モチベーターで、選手のモチベーションを上げるのがうまい監督なので、試合の入りも、そして試合前のミーティングでも、やってやろうと気持ちは上がった。そういったところはチームとして一体感が出ていた」