MF:ティエムエ・バカヨコ(元フランス代表)
生年月日:1994年8月17日
在籍期間:17年夏~23年夏
移籍金:4000万ユーロ(約56億円)
クラブ通算成績:43試合3得点3アシスト
レンヌの下部組織出身のティエムエ・バカヨコは、19歳でトップチームデビュー。2014年夏にASモナコへ移籍すると、16/17にはキリアン・エムバペやベルナルド・シウバ、ファビーニョらと共にUEFAチャンピオンズリーグ(CL)で快進撃を見せて13年ぶりのCLベスト4進出、さらに17年ぶりのリーグ・アン優勝に貢献した。
同シーズン終了後、バカヨコは移籍金4000万ユーロ(約56億円)でチェルシーに引き抜かれ、アントニオ・コンテ監督の下で加入1年目から定位置を確保した。しかし、リーグ戦29試合に出場するも低調なパフォーマンスに終始。ASモナコ在籍時はパトリック・ヴィエラと比較されるほどの活躍をみせていたが、チェルシーではその面影もなかった。
CL出場権を逃したことで2008年7月にコンテ監督を解任。新監督にマウリツィオ・サッリを迎えたが新チームにバカヨコの居場所はなく、2018年にACミランへレンタル移籍に出されると、以降はレンタルの日々が続いている。結果、チェルシーでプレーしたのは加入初年度の1シーズンのみ。今年6月30日に契約満了となるこの男は、まさに不良債権になってしまった。
MF:フアン・セバスティアン・ベロン(元アルゼンチン代表)
生年月日:1975年3月9日
在籍期間:03年夏~06年夏
移籍金:2180万ユーロ(約30.5億円)
クラブ通算成績:14試合1得点0アシスト
フアン・セバスティアン・ベロンがチェルシーにやってきたのは、2003年夏のこと。母国クラブでキャリアをスタートし、1996年にイタリアへ渡った同選手はサンプドリアを経て加入したパルマと、その後に移籍したラツィオで数々のタイトル獲得に貢献した。その活躍により、2001年夏にマンチェスター・ユナイテッドへ移籍したが周囲の期待に応える活躍をみせられず、2003年夏に移籍金2180万ユーロ(約30.5億円)でチェルシーの一員となった。
しかし、アルゼンチンの名手にプレミアリーグは合わなかったのだろう。ベロンは負傷による戦線離脱もありリーグ戦の出場は7試合に留まり、チェルシーでは何もできず。03/04シーズンを公式戦14試合1得点0アシストという不甲斐ない成績で終え、シーズン終了後にインテルへレンタル移籍に出されている。
2シーズンに渡りレンタルで加入したインテルでは、04/05シーズンにコッパ・イタリア(国内カップ)優勝、05/06シーズンにはスクデット獲得(セリエA優勝)とスーペルコッパ・イタリアーナの2冠に貢献。セリエAで復調したベロンが再びチェルシーのユニフォームを着ることはなく、インテルとの契約が終了した後に古巣のエストゥディアンテスへ完全移籍することとなった。
MF:ダニー・ドリンクウォーター(元イングランド代表)
生年月日:1990年3月6日
在籍期間:17年夏~22年夏
移籍金:3790万ユーロ(約53億円)
クラブ通算成績:23試合1得点0アシスト
ダニー・ドリンクウォーターは2012年夏に当時チャンピオンシップ(イングランド2部)に所属していたレスターへ加入。13/14シーズンにプレミアリーグ昇格に貢献すると、15/16シーズンにはエンゴロ・カンテと中盤でコンビを組み、元サッカー日本代表の岡崎慎司らとともに奇跡とも言えるプレミアリーグ優勝を成し遂げた。その活躍もあり、ドリンクウォーターは2017年夏に3790万ユーロ(約53億円)もの移籍金でチェルシーへ加入した。
しかし、この移籍は双方にとって大失敗だったと言わざる負えない。負傷もありアントニオ・コンテ監督の下でリーグ戦12試合の出場に留まると、翌年監督に就任したマウリツィオ・サッリの下では30分間しかピッチに立つことができなかった。そのストレスからなのか、2019年夏にレンタルで加入したバーンリーではピッチ外で問題を起こしてチェルシーに返却されている。
また、2020年夏の移籍市場では移籍先が見つからなかったためチェルシーに留まったが、フランク・ランパード監督の下で構想外となり、U-23(リザーブチーム)で出場したトッテナムU23戦では相手選手を後ろから蹴る愚行。さらに、2020年冬にレンタルで加入したアストン・ヴィラでは練習中にチームメイトと喧嘩して追放されるなど、移籍先でも何もできずに返されることになった。素行の悪さばかり目立った同選手はその後もレンタル移籍に出され、2022年夏に契約満了となり退団。ほとんどプレーできず、他クラブでも問題を起こしたこの男は今世紀最悪の補強と言っても過言ではない。