CB:ベン・ホワイト
【写真:Getty Images】
生年月日:1997年10月8日
在籍期間:21年夏~
移籍金:5850万ユーロ(約81.9億円)
クラブ通算成績:83試合2得点5アシスト
ベン・ホワイトは加入初年度の昨季は主に右CBを務めたが、今季はウィリアン・サリバの復帰と冨安健洋の怪我の影響もあって右SBとしてシーズンをフル稼働した。リーズ時代にCBとしてブレイクを果たした同選手だが、サウサンプトンのアカデミー時代までは右SBの選手であり、本人にとって慣れ親しんだポジションに戻った形である。
マンチェスター・シティが23人のトップチーム登録でトレブルを達成するなど、少ない選手で強いチームを構成する“スモールスカッド化”が現代サッカーのトレンドになりつつある。スモールスカッドのチームに欠かせないのが、複数のポジションをハイクオリティにこなせることだ。キャリアを通じてほとんど怪我による離脱がなく、複数のポジションを高いクオリティでこなせるホワイトは、まさにトレンドを象徴する選手と言える。
加えてこのイングランド代表DFは、現在25歳にして現監督のアルテタを筆頭にマルセロ・ビエルサ(リーズ)、グレアム・ポッター(ブライトン)という優れた戦術家のもとでプレーをしている。いずれのチームでも中心選手となるなど、戦術理解度も高く、今季も右WGのブカヨ・サカとの連係が日に日によくなっていった。「怪我が少ない」「複数ポジションでプレー可能」「高い戦術理解力」とポジティブな要素を上げればキリがない。
CB:コロ・トゥーレ
【写真:Getty Images】
生年月日:1981年3月19日
在籍期間:02年冬~ 09年夏
移籍金:フリー
クラブ通算成績:327試合14得点14アシスト
トライアウトでアーセナルに加入したコロ・トゥーレは完全に掘り出し物だった。アフリカ人特有の身体能力を生かした対人能力やスピードを兼ね備えるコートジボワール代表DFは、加入当初はSBやボランチなどで起用されることが多かったが、2003/04シーズンからアーセン・ヴェンゲルによってCBのレギュラーに抜擢された。このコンバートはコロ・トゥーレにとって大きかった。
ソル・キャンベルとのコンビはリーグ屈指の守備力を誇り、プレミアリーグで史上2クラブ目となる無敗優勝を達成。引き分けは12と多かったが、それは負けなかったからであり、彼らの鉄壁の守備が無敗へと導いた。
その後、相方のソル・キャンベルは膝の負傷に悩まされるなど出場機会を減らしていったが、コロ・トゥーレはアーセナルのディフェンスリーダーとして最終ラインに君臨。5シーズン続けてプレミアリーグで30試合出場を達成するなど、2000年代のアーセナルを象徴する一人となった。
CB:ガブリエウ・マガリャンイス
【写真:Getty Images】
生年月日:1997年12月19日
在籍期間:20年夏~
移籍金:2600万ユーロ(約36.4億円)
クラブ通算成績:118試合11得点1アシスト
ガブリエウ・マガリャンイスの獲得は、長年アーセナルの不安材料だったCBの人材不足を解消する重要なオペレーションとなった。
アーセナルはアーセン・ヴェンゲル政権の終盤からCBの陣容に悩まされていた。シュコドラン・ムスタフィやガブリエウ・パウリスタら20代前半で獲得した選手は戦力となり切れず、ソクラティス・パパスタソプーロスやダビド・ルイスらベテラン勢で各シーズンを何とか乗り切っていた。
ミケル・アルテタ監督が就任して以降もCBは不安なポジションだったが、20年夏にこのブラジル代表DFを獲得したことで守備面はかなり改善された。対人能力の強さと的確なカバーリングが持ち味で、空中戦にも強い。今季はプレミアリーグで全試合に先発出場するなど怪我も非常に少なく、25歳にして完成度の高い選手と言える。
現在のアーセナルは左SBのオレクサンドル・ジンチェンコが内側に絞る“偽サイドバック”を採用しているが、このシステムを成立させるためにはガブリエウ・マガリャンイスのカバーリングが不可欠である。状況によっては一人で左サイドの守備を行わなければならないが、サイドに釣られても無理が効く守備で相手の攻撃を防ぐケースが多い。彼の獲得は間違いなく近年のベスト補強の一つと言えるだろう。