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Jリーグ 1年前

山田直輝は何を伝えたかったのか? 0-6の惨敗、湘南ベルマーレが失いかけているもの【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

「どういうことを求められているかを分かっているつもり」



「シンプルに『頑張ってほしい』ということだと思います。うまくいく、いかない、勝つ、負けるじゃなく、『全員が1つの生き物となって頑張ってほしい』と言われていると思っている」

 いつからか湘南スタイルと評されたのは、爆発的な運動量で相手に脅威を与えることでも、ショートカウンターで相手ゴールに迫ることでもない。逆境でも屈しないリバウンドメンタリティやレジリエンスこそが、湘南をここまで成長させてきたのではないだろうか。

 その不屈の精神がサポーターの心を動かし、それを選手たちは力に変えてきた。2018年のYBCルヴァンカップ準決勝第2戦では割れんばかりの声援がGK秋元陽太の背中を押し、PK戦を経ての決勝進出につながった。同年4月の鹿島アントラーズ戦、後半アディショナルタイムに生まれた山根視来の劇的なゴールもそうだ。

 このシーズンこそ山田は在籍していなかったが、そのメンタリティを誰よりも深く理解している。「僕はどういうことを求められているかを分かっているつもり」と言うとともに、「僕たちがどれだけ全力で戦っているかを見られている。戦術云々の前に、チームが一丸となって頑張る姿を勝ち負け関係なく表現しないといけない」と自戒を込めて表現している。

 ただ、山口監督の下で取り組んできたことが否定されるべきではない。そして、0-6というスコアを必要以上に悲観する必要もない。前半の失点を「最初にミスをして流れを完全に与えてしまった」と悔やむ山本脩斗も「ベースのところ、自分たちがやってきたところはぶらさずにやりたい」とこれまでやってきたことが間違っていないことを強調する。

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