下を向く選手と現実を受け止める指揮官
「やっぱりコミュニケーションを取らないといけないと思う。ラインコントロールもそうだし、チャレンジ&カバーをもっと徹底して誰が行くか声をかけないといけない。結局うしろがコントロールしてくれないと前も動きづらい。もっと全員で声出さないと。自分も含めて、そういう声が少ない」
5月13日の北海道コンサドーレ札幌戦で、一時は逆転しながら4失点を喫して敗れている。悪くなった流れを変えられないという問題の原因の1つとして、石原はコミュニケーションを挙げていた。
サッカーはピッチにいる11人、監督や交代選手だけでなく、ベンチに入らない選手やスタッフも含め、全員で作り上げていくものであるはずだ。今の湘南に欠けているのはその部分の認識なのではないだろうか。真面目と言ってしまえばそれまでかもしれないが、失点するたびに選手は下を向いてしまう。そして、湘南は今、湘南らしさを失いかけている。
そういった選手の挙動をサポーターは見逃さない。試合後には山口智監督や坂本紘司取締役GMがゴール裏でサポーターとコミュニケーションを取る一幕もあった。山口監督は自身の責任の重さを深く受け止めている。
「サポーターの皆さんと話して、歯がゆさもムカつきも伝わりました。現実を受け止めて自分が責任を持ってやる。その約束をしましたし、もう一度、選手と現実に向き合ってやっていきたい」
ただ、湘南サポーターからこれほど毎試合のようにネガティブな反応があるのは珍しい。降格圏に沈んだことはこれまで何回もあったが、今季のそれはいつもと様相が異なる。在籍通算8シーズン目で、背番号10をつける山田はサポーターの反応をこう解釈している。