山田直輝が同僚の選択を「最悪」と評した理由
「『打つな』とは言わないですけど、打つなら絶対に決めなければいけない。決めなければ最悪な選択肢だし、『外すならパスを出せ』と思いました」
山田が「最悪」という強い言葉を使ってこの選択を問題視したには理由がある。このシーンを振り返ると、シュートする刹那に山﨑浩介は脚を投げ出してブロックにいっており、ファーサイドのシュートコースは防がれていた。大橋はニアを狙うしかなく、そこは朴一圭が待ち構えていた。
このとき、点差は4点で残り時間は20分を切っていた。大橋がそうだとは決して思わないが、一般論で見れば諦めの感情が混じっていてもおかしくない展開だ。そういった状況の中で最善の選択をできていないと感じたからこそ、山田は大橋を問いただすようなアクションをとったのだろう。
「僕自身は諦めていなかった。1点入れば相手は焦るだろうし、僕たちは勢いづく場面でもあった。ああいうプレーが相手に勢いを与えることになると思うので、こだわりを持たないといけない」
もちろん、シュートという選択肢自体を否定しているわけではない。「要求するところと尊重するところは大事」と、酸いも甘いも嚙み分ける32歳は話す。「悪い空気になるようなことではないので、声だしは他にもあってもいい」と味方同士のコミュニケーションの重要性を強調した。
この言葉を聞いて想起したのは石原広教の言葉だった。