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鎌田大地は「新しい自分を見つけられた」。サッカー日本代表、ペルー戦はビッグクラブ移籍のプロローグ【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Shinya Tanaka,Getty Images

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サッカー日本代表はキリンチャレンジカップ2023でペルー代表と対戦し、4-1で勝利した。三笘薫が決めた日本代表の2点目は、鎌田大地の巧みな技術がもたらしたものだった。今季限りでフランクフルトを退団する鎌田は、かつて日本人の前に立ちはだかってきた「壁」を越えようと自己研鑽を続ける。(取材・文:藤江直人)


「あれこそが僕らがやろうとしている攻撃」


【写真:田中伸弥】

 パスを出した直後に体勢を崩し、ハーフウェイライン付近で転倒した右サイドバックの菅原由勢の脳裏には、その後の展開に対してネガティブな思いが駆け巡っていた。

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「もっといいボールをつけられたら、と思っていたので……」

 日本代表が1点をリードして迎えた37分。キーパー中村航輔のゴールキックから右に開いたセンターバック板倉滉、さらに右タッチライン際にいた菅原と短いパスを繋いでビルドアップ。すかさず菅原は前方の伊東純也とのワンツーで一気に縦へ抜け出した。

 ただ、ハーフウェイラインが近づいてきたときに、菅原はペルーの選手に挟まれかけてしまう。選択肢はただひとつ。中央への展開しかない。実際、センターサークル内には、菅原をして「すごくいいポジションを取ってくれていた」と言わしめた鎌田大地が、フリーでボールを要求していた。

 しかし、菅原が放った左方向への横パスは、イメージと大きくかけ離れた。縦方向への勢いがつきすぎていた影響もあったのか。グラウンダーではなくライナー性の、それもシュートをほうふつとさせる強いパスは、受け手がトラップする上であまりにも難しい軌道を描いていた。

 だからこそ、菅原は「もっといいボールを――」と述懐した。ただ、その後にこう続けている。

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