「日本代表には遠藤航しかいない」
「チームとしてどう戦うかをハッキリさせるところと、システム、戦術も含めて正解がない中、チームとして何をチョイスして何をやるかを合わせる作業が一番大事だと考えていた。そこはいろいろ話しながらやれたと思います」と攻守の要は卓越した統率力を発揮して6月シリーズ2連勝の原動力になれたことに自信をのぞかせた。
これだけボールを奪えて起点になれるアンカー役をこなせる選手は今のところ遠藤しかいない。2022年カタールワールドカップ(W杯)の後、日本サッカー協会の反町康治技術委員長が「世界レベルでボールを奪い切れる選手がアルゼンチンには5~6人いるが、日本には遠藤航しかいない。W杯で勝とうと思うなら、その人数を引き上げていかなければいけない」と分析していたが、半年が経過した今も現状はそれほど変化していないことも明らかになった。
遠藤は遠藤でさらなる進化を遂げる必要があるが、デュエルに強いアンカー役をこなせる人材を増やしていかないとこの先の日本代表は難しくなる可能性もある。6月2連戦では守田もこの役割にトライしたが「自分は航君に比べると守備力が劣る」と認めていた。守田がそうなのだから、他の面々はもっとそう感じているだろう。
この日、遠藤に代わって終盤、アンカーを務めた瀬古歩夢らが起用できるようになれば、遠藤をIHで使えるオプションも生まれるかもしれない。そういった幅広い戦いのできるチームになるためにも、奪い切れる人材の育成は急務と考えていい。
いずれにせよ、4-3-3で戦うためには、目下、遠藤の存在が必要不可欠だ。彼を中心にこのシステムを研ぎ澄ませていくことになる。9月のドイツ代表戦に向け、チームの完成度をより高めていくことを期待したい。
(取材・文:元川悦子)
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