「個を最大限に引き出す」状況判断
後半に入るに当たり、森保一監督は旗手に変えて守田英正を投入。布陣変更自体はしなかったが、状況に応じて守田が低めの位置を取って2ボランチ気味になることが多かった。相手も攻撃の強度をより高めてくると見られただけに、より一層安定した中盤を組織しなければならないと遠藤は判断したのだろう。
「今回は4-1-4-1気味にやりながらも、どうやって個の良さを生かすかというところで、スタートの立ち位置は決まっていたけど、状況に応じて人を生かすようなポジショニングを1人1人が取っていけば、個を最大限に引き出せるような試合になっていく」と背番号6は考えて、臨機応変に戦ったという。
こうしたマネージメントが後半の追加点を生み出す。16分に古橋亨梧から前田大然に1トップが変わった直後、中盤の遠藤は背後を突こうとした背番号25目がけて縦パスを供給した。前田が相手DFとつぶれたところを鎌田がフォローし、左の三笘に展開。最終的に右から走り込んできた伊東が3点目を挙げる。まさに理想的な得点パターンを演出したのだ。
日本代表はさらに後半30分に、交代出場した久保のいいプレスからDFのミスパスを誘い、前田が前線に抜け出してゴール。リードを4点に広げることに成功し、遠藤は後半36分にお役御免となった。その直後に失点を食らったのはチームとして痛かったが、強敵ペルー代表を4-1で撃破した勇敢な戦いは賞賛に値する。
タフな相手に対する1対1の守備、鋭いボール奪取、スペースを埋める的確な動き、攻撃の起点になる攻め上がりと、多彩な仕事を示した新キャプテンの存在価値の大きさを改めて再認識させられたゲームだったとも言っていいだろう。