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日本代表 1年前

遠藤航しかできないサッカー日本代表アンカーの仕事術。「個を最大限に引き出す」状況判断【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子

日本代表を“試合巧者”にする働き



「今日、うまくいったのは守備。ペルー代表は長いボールを入れて事故を起こすような形を狙っていたので、しっかりコンパクトに4-4-2のブロックを引きながら、入ってきたところをつぶそうと思った」と遠藤は言う。

 その結果、ペルー代表を危険なエリアに侵入させなかった。さらに右の槍である伊東、左の槍である三笘薫らを軸に素早く縦に攻め込むなど、徐々に日本代表のペースになっていったのだ。

 流れを決定的にしたのが、前半22分の日本代表の先制弾だ。相手のカウンターを菅原由勢が中盤で止め、少し切り替えが遅くなったタイミングを見逃さず、クイックリスタートを試みた。ペルー代表の陣形が整わないうちに、鎌田→伊東→菅原→伊東と渡り、伊東と遠藤がパス交換。最終的に遠藤は左ペナルティエリア左外に大きなスペースが空いていることを見極め、上がってきた左SB伊藤洋輝にラストパスを送った。

 次の瞬間、背番号21は左足を一閃。待望の代表初ゴールが生まれた。4月9日のボーフム戦の先制ゴールを筆頭にブンデスリーガでも似たような形からミドルを決めていた伊藤には自信があったのだろう。「あそこに出せば入る雰囲気があった」と1点を引き出した遠藤もしてやったりの表情を浮かべた。

 ここから日本代表のギアが一段階上がり、小気味いいビルドアップから攻めを仕掛けられるようになる。そして前半37分には、鎌田からのラストパスを受けた三笘が左から得意のドリブルでゴール前に侵入。2点目を叩き出して2-0で試合を折り返す。日本代表の試合巧者ぶりが如実に出た前半だった。

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