両ウイングで“共演”した三笘薫と久保建英
昨年6月10日にノエビアスタジアム神戸で行われたガーナ代表との国際親善試合以来、370日ぶりに決めた代表での2ゴール目。笑顔を輝かせながら三笘のもとへと駆け寄り、お互いの両手をポンと合わせてから抱き合った場面でのやり取りを、久保は独特の表現で明かしている。
「三笘選手は『僕にアシストをつけてくれてよかった』と言ってくれました。まあ、(メディアの)みなさんにしても多分、表紙にしやすいんじゃないですか」
久保が唐突に切り出した「表紙」とは何なのか。終わったばかりのヨーロッパのシーズンで、特にカタールワールドカップ後の戦いで久保と三笘のプレーは突出していた。スペインとイングランドを席巻した日本人選手による、歓喜のゴールセレブレーションは絵になると言いたかったのだ。
日本代表のリードを3点に広げ、前半開始早々に退場者を出していた10人のエルサルバドル代表の戦意をさらに減退させるゴールそのものも、久保のひらめきから生まれていた。この試合で日本は[4-3-3]システムを採用に、左右の両ウイングで三笘と久保が先発していた。
右サイドでボールを持った久保が、左サイドの高い位置にポジションを取っていた三笘へ、正確無比なサイドチェンジのパスを通す。美しい放物線を描いたパスに、豊田スタジアムのスタンドから歓声があがる。そして、軽やかにトラップした三笘が仕掛ける体勢に入った直後だった。
パスを出した後に右サイドからゴール中央へ、スルスルと侵入してきたのが久保だった。