サッカー日本代表は何が変わったのか?
3月からの大きな変化の1つは[4-2-3-1]から[4-1-4-1]へと布陣を変えたことだ。相手のビルドアップに対しては1トップの上田綺世と右インサイドハーフの堂安律が並ぶ形の[4-4-2]で向き合い、相手がビルドアップ時の最終ラインを2枚から3枚へ増やすと、[4-3-3]と形を変えて対応している。
前線を数的同数で制限をかけつつ、中盤では守田英正らが相手の自由を奪い、何度も回収してマイボールにしていた。3月から中盤の形を変えたが、堂安、旗手、守田の3人のMFはいい距離感を保ちながらプレーしていた。即時奪回の意識が高かったのもこの試合のポイントで、実際に25分の久保建英のゴールは、失いかけたボールを三笘が回収してアシストしている。
旗手は試合後、「きついっす(笑)」と率直な感想を残した。今季のセルティックではフル出場する試合が少なく、フル出場したのは昨年12月29日のハイバーニアン戦以来、約半年ぶりだった。「1度きついなと思ったときもありましたけど、そこで切らしたら自分の良さがなくなる」と最後まで緩めることなく90分間走り切った。
旗手に触発されるような形で、日本代表は最後まで攻め続けた。60分には後半頭から出場していた中村敬斗に代表初ゴールが生まれ、73分には相馬勇紀のクロスを古橋亨梧が頭で合わせ、途中出場の2人でチーム6点目を決めた。
森保監督は昨年のFIFAワールドカップでの反省を踏まえ、ボール保持の局面からの攻撃を課題に掲げる。一方で、攻撃的なチームほど守備の意識を高く保つ必要があるという逆説(パラドックス)は、ペップ・グアルディオラやユルゲン・クロップのチームが証明しており、旗手や古橋らが師事したアンジェ・ポステコグルー監督も実践している。エルサルバドル戦を通して、改めて日本代表にとって大事な要素に気づかされる結果となった。
(取材:元川悦子、文:編集部)
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