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旗手怜央は何が変わったのか? W杯落選、欧州CL経験。サッカー日本代表で残した爪痕【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子

旗手怜央が「今季、一番変わったのは…」



「今季、一番変わったのはメンタル面。ミスを恐れないプレー、前に前に行くっていうところは欧州CLを経験して、リーグ戦も1年間やってすごく変わってるのかなと思います。

 もちろんミスはしない前提でやってますけど、ミスは出てくる。それをマイナスに捉えるんじゃなく、チャレンジした結果のミスにしていくことで、消極的なミスはなくなった。そういうところは成長したと思います」

 旗手の言葉通り、1つ1つの失敗を引きずらなくなっったのは大きい。

 昨年9月の欧州遠征時は、CLでレアル・マドリードと互角以上のプレーをしながら森保監督に使ってもらえなかったことで、不満が顔に出てしまっていた。そういう貪欲な姿勢も旗手のいい面なのだが、グループで戦うことが何よりも重視されるW杯では難しいと判断されたのかもしれない。結果的にW杯出場を逃すという悔しい経験をして、彼は彼なりにマインドセットを変えたのだろう。

「チームの一員として身を粉にして働こう」という献身的な姿勢があったからこそ、指揮官も今回チャンスを与えた。それをモノにしようとガムシャラに戦ったことで、彼は熾烈なMF争いに参戦する権利を改めて得た格好だ。

 そこで生き残るためには、やはり主戦場の左インサイドハーフだけではなく、4-2-3-1の左MFやボランチ、左SB、3バック時のウイングバックなどもこなさなければいけない。そうやって多様性やマルチな能力を発揮していけば、旗手の代表定着もそう遠くないだろう。

 今回の一挙手一投足を自分自身、しっかり分析、検証し、レベルを引き上げていくことがその近道。W杯落選組の筆頭である彼の逆襲がいよいよ始まりそうだ。

(取材・文:元川悦子)

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【了】

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