「堂安律にしか出せない色の10番」
「気合は入りましたけど、フライブルクに集中していたので、それほど考えすぎることはなかった。今は緊張感と責任感を感じています」と彼は13日の練習後の取材で神妙な面持ちをのぞかせた。
そのうえで「自分にしか出せない色の10番を出したいなと思ってますし、今まで背負ってきた(南野)拓実君や(香川)真司君とか、中村俊輔さんとか、彼らの真似じゃなくて、自分、堂安律にしか出せない色で10番を作っていきたいと思います」と語気を強めたのだ。
「堂安律にしか出せない色の10番」とは一体、何なのか…。筆者がさらに突っ込むと、まずは「媚びない10番」という回答が帰ってきた。
確かに堂安という人間は、言うべきことは言うタイプ。3月シリーズでも、チーム全体が攻撃のビルドアップばかりに頭がいき過ぎたことを見過ごせず、「『Jリーグのサッカー』っぽいスタイルをやっている感じが僕の感覚的にある。欧州ってもっと縦に速くてゴールに向かっていくサッカーをしている。プライオリティを忘れちゃいけない」と批判覚悟で発言し、警鐘を鳴らしている。
彼の意見が森保監督や名波浩コーチらに伝わったのか、今回の代表は練習から縦の意識が鮮明に表れている。紅白戦でも名波コーチが「ボールを下げるな」「ゴールを意識しろ」といった声掛けを頻繁にしていて、堂安の理想とするスタイルに変化しつつあるのは事実。特にエルサルバドルのような堅守の相手には、各駅停車のパス回しは厳禁だ。