音痴な人は気づかない。「才能」の正体とは?
「自然とできている人が一流。歌が上手いからと言って、コード理論を全部知っているとは限らない。でも、才能がある人は自然と理に適った歌い方をしている」
本書には「正対」、「ポイント論」といった原則が出てくるが、一流は必ずしもそれ自体を意識しているわけではない。経験や感覚から理に適った動きができるのが「才能」の正体だという。
「わかっていない人がダメというわけではなく、それに気づけば実力がついてくる。もともと知っていた人に対抗できるようになる。普段の努力があったうえで、努力の方向を間違えないようにするために、原則がある論理化されたサッカーが必要になる」
「音痴な人も自分の音程が外れているのに気づかなかったりする。サッカーも同じで、うまくいっているつもりでもパスコースを読まれている。でも、理論を知っているだけじゃだめで、感覚的にやれるようにならないと強度の高いプロの環境では力を発揮できない」
著書『蹴球学』の中で「ロックの原則」や「正対」を取り上げている箇所がある。前者はクロス時の守備対応、後者はボール保持者についての原則。詳細については本書に委ねることにするが、その2つの原則を例に、2人のJリーガーを挙げてもらった。