スキッベ監督から要求されているものとは
「出場チャンスがあるか分からないですけど、与えられた中でしっかり僕のよさを出していきたい。もし前の方で使われた場合には、積極的に背後を狙ったり、飛び出したり、最後のクロスに入っていくところだったり、自分を信じて得点する場所にいたいなと思います」
川村を大きく飛躍させたスキッベ監督からは「ずる賢く勇敢にプレーしてほしい」とエールを送られた。今季は特にその「ずる賢く」という部分を要求されているようだ。
「『ムダに頑張らない』というのは、強く言われているところです。それは行くところ・抜くところのメリハリだったり、相手のファウルの部分だったり。相手のファウルはチームにとって大きなプラスになるので、意識しながらやってます」
代表レベルになれば駆け引きや頭を使ったプレーはより重要になってくる。遠藤航や守田英正ら欧州組は数々の修羅場をくぐり抜けてきた分、感覚が鋭い。国際経験値に勝る面々と共闘することで、川村はもっともっとスケールの大きな選手になれるはずだ。
強さと速さ、多彩な左足、爆発力、推進力…とこれだけの魅力を兼ね備えたマルチ型のMFはそうそういない。彼は森保ジャパンに新風を巻き起こせるだけの逸材だ。川崎戦敗戦の悔しさもバネにして、自分の全てを6月の代表活動にぶつけてほしいものである。
(取材・文:元川悦子)