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“あの日”から2年。死の淵を知ったエリクセン、心境の変化と壮絶な復帰までの道のり【コラム】

シリーズ:編集部フォーカス text by 安洋一郎 photo by Getty Images

新天地で出会った新たな2人のパートナー


【写真:Getty Images】


 2022年1月にブレントフォードと半年契約を結んだエリクセンには2023年夏以降も残留する選択肢があったが、再びUEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場を希望してシーズン終了後に退団を決断した。

 新たな戦いの場として選んだのは、インテルを退団した直後に練習に迎えてくれた元アヤックス指揮官エリック・テン・ハフが新監督に就任したマンチェスター・ユナイテッドだった。

 ブライトンとの開幕戦から先発に名を連ねたエリクセンは、最終ラインから繋ぐサッカーに慣れていないチームメイトが多くいる中で、中盤の繋ぎ役として奮闘。低い位置でのプレーが増えたことでトッテナム時代のような得点量産こそならなかったが、カゼミーロ、ブルーノ・フェルナンデスとともに中盤のトライアングルを築いた。

 この3人が揃って先発出場した試合は第35節でウェストハム戦に0-1で敗れるまで、プレミアリーグで負けなしと、リーグ屈指の中盤と評価されている。エリクセンはクラブ公式サイトでのインタビューで、「彼ら(ブルーノとカゼミーロ)は卓越した選手で、動き方やボールの出し方を知っているから、怪我で離れていた期間があってもすぐに上手くやれる。彼らは僕を助けてくれたから、すぐに溶け込めた」と2人の選手へ感謝の言葉を述べている。

 マンチェスター・ユナイテッドで完全にトップフォームに返り咲いたエリクセンは、2022年11月に行われたカタールワールドカップにも出場。結果的にチームはグループステージ敗退となってしまったが、世界中に自らの元気な姿を届けた。

 シーズンが終わって振り返ると、エリクセンは公式戦44試合に出場して2得点10アシストを記録。チームもカラバオ・カップ優勝、FAカップ準優勝、プレミアリーグ3位と充実したシーズンを過ごした。

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