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“あの日”から2年。死の淵を知ったエリクセン、心境の変化と壮絶な復帰までの道のり【コラム】

シリーズ:編集部フォーカス text by 安洋一郎 photo by Getty Images

復帰への第一歩


【写真:Getty Images】



 エリクセンが新天地を探す中で、熱心に勧誘したのが2021/22シーズンにプレミアリーグ初昇格を成し遂げていたブレントフォードだった。

 オーナーのマシュー・ベンハムは、デンマークの強豪ミッティランのオーナーも務めており、ブレントフォードには多くのデンマーク人が在籍している。指揮官トーマス・フランクもデンマーク人で、彼は2008年から4年間デンマークU-17代表を率いる中で、エリクセンを指導した経験があった。

 こうした縁に加えて、ブレントフォードがかつての所属クラブであるトッテナムとかなり近い距離に本拠地を置いていたこともエリクセンにとって魅力的だった。

 そして、2022年1月31日にブレントフォードへの加入が決定した。エリクセンはチームメイトとの初トレーニングを前に、「手加減する理由はない」と伝えたそうだ。その意味をイギリス『Sky Sports』のインタビューで「自分は周りのサポートのおかげですべてがクリアになった状況でここにいる。ピッチの中では、私はただのサッカー選手で、それは何も変わっていないんだ」と明かしている。

 チーム練習に参加する中で徐々にコンディションを戻していったエリクセンは、加入からおよそ3週間後のニューカッスル戦で途中出場。この試合以降に行われた10試合では全てフル出場を果たすなど、体力面でも問題がないことをアピールした。

 エリクセンが先発出場した10試合の成績は7勝2分1敗と、チームの成績は明らかに向上。チェルシー戦でのゴールやサウサンプトン戦やエバートン戦でのアシストなど、チームの勝利に直結するプレーを披露したことで、再び自身がトッププレイヤーであることをピッチで証明した。

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