なぜJリーグはスター選手を必要としないのか?
この10年でわかったことは、Jリーグはそのような段階から脱却し、キャリアを終えようとしている選手に大金を投じることは、中東のクラブに任せるのがベストだということだ。1990年代の日本ではジーコやゲーリー・リネカー、ドゥンガ、2020年代のサウジアラビアではクリスティアーノ・ロナウドやカリム・ベンゼマ、もしかしたらエンゴロ・カンテもそうなるかもしれない。
このような契約は、注目を集めたいリーグにとってはその目的を果たすものとなり、彼らはオーラを放ち、熱狂を生み出す。しかし、今のJリーグのような健全な状態であれば、そのようなギミック的な動きはもはや必要ないだろう。
本田圭佑、長友佑都、長谷部誠、吉田麻也、岡崎慎司らが国境の障壁を取り払い、Jリーガーが欧州で通用することを証明し、酒井宏樹、遠藤航、冨安健洋、堂安律、三笘薫らがそれに続く。その結果、Jリーグは派手な宣伝が必要ないほど、選手の質が高く、注目すべきリーグであるとの評価を着実に得ている。つまり、派手な契約は必要なくなっている。
下位に沈むチームで半年間活躍した日本人選手の欧州移籍は、15年前には考えられなかったことだった。しかし、6月5日に伊藤涼太郎のシントトロイデンへの移籍が発表された時に、それを不思議に思うことはなかった。それほどまでにリーグは進化している。
サポーターとクラブの絆もすっかり定着し、観客動員数は欧州リーグの大半に匹敵するほどになった。Jリーグのインターネットやソーシャルメディアの活用も進み、全国のスタジアムの独特の雰囲気が世界中のファンに伝わり、賞賛されるようになった。このような背景から、すでに多くの人がこのリーグに注目している。