久保建英が若きDFに突きつけた厳しい現実
ローマ戦から大幅にスタメンを入れ替えたホセ・ルイス・メンディリバル監督は、左サイドバックに下部組織所属のディエゴ・ホルミゴという若手を起用した。センターバックが本職だという20歳の同選手は、これが嬉しいトップチームデビュー。気合いが入っていたことだろう。
しかし、そんなホルミゴに対して、マッチアップした久保は“先輩”として非常に厳しい現実を突きつけた。
まずは30分、右タッチライン側でボールを持った久保がドリブルで持ち上がり、一旦ペースダウン。そして左足で細かくタッチしながらカットインをちらつかせると、タックルしたホルミゴに対して少しボールを浮かせ、そのまま縦へ抜け出した。ホルミゴはピッチに倒れている状態で、リカバリーもできなかった。
41分には久保がホルミゴのイエローカードを誘発。縦へ走り出すところを体でブロックされた形だ。
そして、久保が最もスタジアムを沸かせたのが45分のシーンだ。イゴール・スベルディアからのパスを受けた久保は、ヒールでのワンタッチでボールを逸らし、ホルミゴの意表を突いて滑らせ、そのまま縦への突破を成功させた。
ホルミゴは、立ち上がりから久保との間合いを素早く詰めていた。久保はその癖を見抜いていたのだろう。だからこそ、間接視野でとらえた状態ながら自信をもってワンタッチで抜き去る選択をすることができたと言える。
久保にやられ続けたホルミゴは、前半のみでアレックス・テレスとの交代を余儀なくされている。トップリーグ未経験だった20歳にとって初めての相手が、今季のラ・リーガで主役になり続けている久保だったのは不運としか言いようがない。
(文:小澤祐作)
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