マンCを封じた組織的な守り方
マンCにボールを保持されて守勢に回る試合展開はやむを得ないとして、マンUはなんとか失点を我慢しながら少ないチャンスをものにしていこうというプランを思い描いていたであろう。そのため、試合後の『BBC』のインタビューでテン・ハフ監督が「防げる失点だった」と口にしたこの失点は本当に痛恨だった。
しかし、追加点を奪いに来るマンCに対して、マンUは仕切り直しのキックオフから集中力を保ち続け、簡単に2点目を与えなかった。自陣でブロックを敷くだけでなく、組織的に敵陣でもプレスをかけながら、マンUは強気に戦った。
マンCの3バックと2ボランチのビルドアップに対しては、前線の4枚でうまく制限をかけた。ワントップのマーカス・ラッシュフォードが最初のプレッシャーをかけ、3バックの両脇のCBにボールが渡ると中に絞ったブルーノ・フェルナンデスとジェイドン・サンチョのサイドハーフ2人がボランチへのコースを切りながら連動してプレッシャーをかけ、中央を経由した前進を簡単に許さなかった。
マンCの前線の5枚に対しては、マンツーマンに近い形で激しく球際で戦った。特にフィジカルやキープ力に長けたハーランドやケヴィン・デ・ブライネ、ジャック・グリーリッシュには、ボールが渡るタイミングでタイトにぶつかり、粘り強い対応を見せた。
その結果、自陣に押し込まれ続けるような状況は作られず、それほど多くの決定機も作らせなかった。そして時折、攻撃でも迫力をみせ、PKから同点に追いつくことに成功している。後半にセットプレーから再びギュンドアンに難しいゴールを沈められて敗北となったものの、マンUは非常に善戦した。
試合後にテン・ハフ監督が「試合開始早々の失点からマンCに対して反撃することができるチームは、世界でおそらく我々だけだろう」と語ったように、今季絶対的な強さを見せてきたマンCに対して、マンUは見事な戦いぶりを見せていた。