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Jリーグ 1年前

「理解できていない」仲川輝人が感じた「横浜F・マリノスにあってFC東京にないもの」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

横浜F・マリノスの穴は「空くと分かっていた」



 先手を取ったのはマリノス。開始1分も経たないうちに右サイドのヤン・マテウスの左足クロスにエースFWアンデルソン・ロペスが強烈ヘッドをお見舞い。ネットを揺らす形になったのだ。

 電光石火の一撃に「ホームで開始1分以内に点を取られるのはあってはいけないこと」と背番号39も危機感を覚えたという。それがチーム全体に伝わったのか、そこからFC東京は一気にギアを上げる。12分には右CKから仲川がファーストシュートを放ち、19分には右を崩して安部柊斗が折り返したボールを渡邊凌磨がヘッド。次々と相手ゴールに迫っていった。

 迎えた前半34分。仲川にとって大きな見せ場が訪れる。中盤の青木拓矢からの斜めのパスを受けた彼は精度の高いクロスを中央に送った。これに反応したのがディエゴ・オリヴェイラ。相手DFの前に走りこんで左足インサイドを合わせ、豪快にネットを揺らして試合を振り出しに戻したのだ。

「あそこのスペース(マリノスの左サイド)が空くっていうのは分かっていた。そこをうまく突けたからチャンスが作れたし、点にもつながった」と背番号39はしてやったりの表情を浮かべた。彼の推進力がFC東京に勢いをもたらしたのは紛れもない事実だろう。

 前半終了間際の44分には、左サイド・渡邊の折り返しに再びディエゴ・オリヴェイラがアクションを起こし、ヘッドで逆転弾を叩き込んだ。2-1でゲームを折り返せたのは、FC東京にとって上々の試合運びだったと言える。

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