マンチェスター・ユナイテッド
【写真:Getty Images】
監督:エリック・テン・ハフ
シーズン前予想順位:6位
最終順位:3位(23勝6分9敗)
圧倒的な強さを示したわけではない。しかし、マンチェスター・ユナイテッドにとっては、一筋の光が差し込むようなシーズンになったと言えるはずだ。
シーズン開幕前時点での予想順位は6位。絶対的なストライカーの不在と、エリック・テン・ハフ監督や新戦力の多くがプレミアリーグ初挑戦であり未知数ということが大きな理由だった。実際、ストライカーの不在は最後まで悩みとなり、総得点数「58」はトップ5の中でワーストとなっている。生え抜きであるマーカス・ラッシュフォードが爆発したのは嬉しい誤算だったが、彼の助けがなければチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得は難しかったかもしれない。
新戦力に関しては、多くの選手が良い意味で期待を裏切ってくれた。批判の声も多かったリサンドロ・マルティネスは最終ラインに欠かせぬ存在となり、レアル・マドリードからやってきたカゼミーロはユナイテッドに足りなかった中盤の強度を高めるなど最高の補強に。クリスティアン・エリクセンも中盤の要となり、アントニーは数字こそ物足りなかったが随所でらしさを発揮している。
そして、プレミアリーグ1年目ながらテン・ハフ監督も見事な手腕を示した。アヤックス時代にみせていたスタイルの浸透にこだわらず、あくまで結果を求めた戦い方を重視。ミスが目立った主将のハリー・マグワイアをベンチに置き、世界的スターであるクリスティアーノ・ロナウドを決して特別扱いしないなど、冷徹な決断が光っている。開幕連敗スタートでどうなるかと思ったが、結果としてこのオランダ人指揮官の招聘は間違いではなかった。