ニューカッスル
【写真:Getty Images】
監督:エディ・ハウ
シーズン前予想順位:7位
最終順位:4位(19勝14分5敗)
ニューカッスルが今季のプレミアリーグにおいて台風の目となることは予想通りだったが、ここまでの大躍進は、正直なところ期待していなかった。
開幕5試合でわずか1勝とスタートには躓いたニューカッスルだったが、10月に入ってから6連勝を飾るなど驚異的なペースで勝ち点を積み上げていき、一気にチャンピオンズリーグ(CL)出場圏内まで浮上。最終的に第12節のエバートン戦で勝利して4位となって以降、一度もCL圏外に転落することはなく、最終節のチェルシー戦を残した時点で20年ぶりのCL出場を掴み取ることになった。昨季前半戦まで残留争いに苦しんでいたことを考えれば、奇跡に近いような結果である。
一昨年にサウジアラビアの政府系ファンドに買収され、巨額の資金を手にしたニューカッスルは、チェルシーのように選手を乱獲するのではなく、堅実な補強をみせている。この新戦力獲得の動きに関してはシーズン開幕前の時点で高く評価しており、実際に昨年夏に加入したGKニック・ポープ、DFスヴェン・ボトマン、FWアレクサンダー・イサクらはチームにおいて欠かせない戦力となった。
的確な補強に加え、もう1つ躍進の要因となったのが守備力だ。エディ・ハウ監督の元、高い位置からの強烈なプレスで相手の自由を奪い、ミドルサードまで侵入された際には強固なブロックを形成するなど、ニューカッスルのイレブン全員が献身的に働き続け、約束事を徹底した。その結果、総失点数はマンチェスター・シティと並んでリーグ最少の「33」。38試合で敗れたのはわずか5回と、負けないチームへと変貌を遂げている。そうした強固な守備からのカウンターも脅威で、とくにスピードに自信を持つミゲル・アルミロンはリーグ戦11ゴールでニューカッスルでのキャリアハイを更新するなど、その恩恵を受けた。