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マンUはなぜホームで強いのか? 29戦負けなしを実現したテン・ハフ監督の戦略【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by photo by Getty Images

守備が攻撃に与える影響



 良い守備を実行できていることで、必然的に良い攻撃につなげる機会も増えている。

 良い形で前向きにボールを奪ったら、マンUはラッシュフォードら前線の個のクオリティを生かして一気にゴール前に人数をかけ、素早くゴールを襲う。ロング、ショートに関わらず、マンUのカウンターは非常に鋭いものがあるが、この日の同点弾はまさにそういうゴールだった。

 左サイドでガルナチョがボールを失った後に、自らすぐにボールを奪い返しにプレッシャーをかけて相手のパスミスを誘発した。そして前向きにパスカットしたヴィクトル・リンデロフからすぐさま縦パスを受けたB・フェルナンデスはプレッシャーを受けながらもキープし、タイミングよく追い越してきたフレッジにボールを託した。最後はフレッジへの相手DFのタックルに当たってこぼれたボールを、中央で待っていた右ウイングのサンチョが押し込んだ。

 良い形でボールの奪い、ブルーノは個人能力の高さを生かし、最後はショートカウンターのチャンスを嗅ぎつけたウイングのサンチョが中央で仕事をし、良い攻撃を見事に完結させた。

 今週末にはシーズン最後の大一番、マンCとの顔合わせになったFA杯決勝が控えている。このマンチェスターダービーはマンCの3冠の可能性を阻止するための、プライドを懸けた一戦になるだろう。マンUはウェンブリー・スタジアムを自らのホームのように、王者に対して受け身になりすぎず、アグレッシブに戦うことはできるだろうか。
 

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