なぜ強固な守備を築くことができたのか
まず最も大きな要因となっているのが、強固な守備だ。
総失点数は43でリーグ3番目に少なかったマンUは、今季のプレミアリーグで最も多い17の無失点試合を記録している。ホームゲームに限って言えば19試合で失点はわずかに10。そのうち11試合が無失点試合となっており、本拠地での失点の少なさが非常に際立つデータが出ている。
ホームで失点が少ないのには、テン・ハフ監督が試合ごとに施す守備構築と、よりアグレッシブになれるホーム特有の精神的アドバンテージが影響しているだろう。それは今日の試合も同様だった。
前線からのハイプレスでは、マーカス・ラッシュフォードとブルーノ・フェルナンデスが2トップ気味になって両ウイングとともに相手の4バックに圧力をかけ、ロングボールを蹴らせる。そして、前線のターゲットであるアレクサンダー・ミトロヴィッチに対しては先発起用のハリー・マグワイアがフィジカルを生かして徹底的に対応していた。
また、自陣での守備では、フラムのストロングポイントであるケニー・テテとアントニー・ロビンソンの両SBが積極的に攻め上がるサイド攻撃に対して、両ウイングのジェイドン・サンチョとアレハンドロ・ガルナチョにマークとプレスバックを徹底させた。さらにボール奪取に長けたカゼミーロとフレッジで中央の経路も閉じた。
こうしたテン・ハフ監督の緻密な守備構築の下、ホームという地の利を生かして、受け身にならず常にラインを下げすぎないように保つことで、前向きにアグレッシブな守備をホームでは実行できているのだろう。