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久保建英 1年前

シメオネの策に苦しんだ久保建英。名将が徹底したアトレティコのソシエダ対策とは【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

シメオネは久保建英が最も危険な存在と認めた



 今季のアトレティコは3-5-2をベースにシーズンを過ごしてきた。ソシエダ戦でも、現地メディアのほとんどが同フォーメーションを採用すると予想していた。

 しかし、先述の通りシメオネ監督は普段とは違う5-4-1を採用。絶好調のグリーズマンを1トップに置き、左ウィングバックが主戦場のヤニック・フェレイラ・カラスコを一列前に配置。そして左WBでは、今季なかなか出場機会に恵まれていないセルヒオ・レギロンを先発に抜擢している。

 シメオネ監督がこのソシエダ戦でシステムと人選に変更を加えたのは、久保を意識してのことだった。事実、スペイン紙『AS』によると、試合後にアルゼンチン人指揮官は「私たちはラ・レアルの持っている良い攻撃手段をすべて封じようとした。長い時間プレーできていないセルヒオが出場するのは簡単なことではなかったが、彼は準備ができていて、最初こそ苦労したが、時間が経つにつれ私たちが必要としていたことをしてくれた。相手の最も決定的な選手である久保を無効化することができたんだ」とコメントを残していたようだ。

 実際、アトレティコの久保徹底封じは凄まじかった。日本人レフティーにボールが入ると、一瞬でレギロンが縦のコースを潰す。そして久保がカットインしようとすると、3バックの左に入ったマリオ・エルモソや中盤のコケがカバーに入り、コースを封じる。久保1人に対し、最低でも3人が監視していた形だ。

 今や崩しの核である久保を封じられ、左サイドのミケル・オヤルサバルも輝きを失ったままのソシエダが攻撃の迫力を欠くのは必然のことと言える。ストライカーを置かず、サイドに人数を増やしたシメオネ監督のソシエダ対策は、結果として大正解だった。

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