久保建英は今やチームを勝たせられる存在に
今季リーグ戦9ゴール目をあげた久保は、アントワーヌ・グリーズマンやロベルト・レバンドフスキら、錚々たるメンバーを上回る9度目のマン・オブ・ザ・マッチ(MOM)を獲得。もはやソシエダの中心という域を超え、エースになっていると言っても過言ではない。
マジョルカやヘタフェ時代は良い選手止まりという印象が強かった久保だが、ソシエダではチームを勝たせられる存在へと進化を遂げた。ボールを奪われず、突破や質の良いキックでチャンスを作り、自らも決定的な仕事を果たす。ミケル・オヤルサバルにこれまでほどの輝きがない中、久保の個は不可欠なものとなっており、チーム自体が困った時に久保の能力に頼る攻めを見せることが多々ある。第34節のジローナ戦、そして今回のアルメリア戦もそうだった。
また、オヤルサバルが復帰し、ソシエダのベースフォーメーションが4-3-3となったことは、今思えばポジティブだった。右に固定された久保は、2トップ時代のようなポジションチェンジを交えながら攻撃を組み立てる巧さこそ見せなくなったが、その分足元でボールを受けて仕掛けるシーンが増えた。もちろん、久保に能力がなければこのシステムは機能しなかったはずだが、今の久保はキレキレで止められない。チームにとっても個人にとっても、プラスに働いている。
イマノル・アルグアシル監督は、アルメリア戦で負傷交代したシルバが今季の残り2試合を欠場することを示唆した。そのため、アトレティコ・マドリード戦、そしてセビージャ戦では久保のパフォーマンスがますます重要となるだろう。果たして、日本人レフティーは再びチームを勝利に導くのだろうか。
(文:小澤祐作)