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清水エスパルスは“ブースト”の燃料切れか、7年前の再現か。熱血監督が追求する最適解【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

“ブースト”の燃料切れか、7年前の再現か



「3度もポストに助けられながら、最後の最後にああいう形でねじ込まれてしまう。(町田さんの)勢いを削げるように、そして自分たちに勢いや流れを早く持ってこられるようにしたい」

 2位のヴェルディに勝ち点7差をつけて首位を快走する町田との差を、自ら勢いを手繰り寄せられるかどうかだと秋葉監督は位置づけた。その上で再び上昇気流に乗るには何が必要なのか。

「交代メンバーなのか、システムなのか、選手同士の組み合わせなのかを含めて、90分間を通じてチームをマネジメントしていくための最適解を見つけていく。素晴らしい選手がたくさんいるので、早く答えを見つけられるように、そのためにも僕自身がいい状態にならないといけない」

 再び自分自身の指導者としての資質にベクトルを向けながら、乾やカタールワールドカップ日本代表の守護神・権田、昨シーズンのJ1得点王チアゴ・サンタナら、J1クラスの戦力を擁するチームへ厚い信頼を寄せる。冒頭から異彩を放ち続けたまま、秋葉監督は公式会見を終えた。

 清水が前回にJ2を戦った2016シーズンも、17試合を終えた時点でくしくも今シーズンと同じ9位だった。しかし、第25節から最終節までの18試合で、15勝1分け2敗と驚異的な巻き返しに成功。北海道コンサドーレ札幌に次ぐ2位に食い込み、J1への自動昇格を勝ち取っている。

 秋葉監督が身にまとう喜怒哀楽を再び起爆剤に変えて、7年前と同じ軌跡を刻んでいくのか。それとも、指揮官交代でもたらされた“ブースト”の燃料が、連敗とともに途絶えていってしまうのか。42試合を戦うリーグ戦の折り返しを前に、清水がターニングポイントを迎えようとしている。

(取材・文:藤江直人)

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