「本当に申し訳なかった」指揮官が悔やんだ理由
「最後、中盤をダイヤモンドにして勝負をかけて勝ち点3を取りにいった。僕が欲張ってしまったなかで相手のシュートが何度もポストに当たるなど、厳しいシーンが続いてしまった。あれがよくなかったと思っていますし、実際、ダイヤモンドにしたからチャンスを作れたのかと言えばそうじゃなかった。もっと最適解があったはずなので、その意味で本当に申し訳なく思っています」
1-1のまま迎えた81分に、清水はボランチの白崎凌兵、攻撃的MFカルリーリョス・ジュニオに代えてMF神谷優太とFW北川航也を投入。システムを[4-2-3-1]から[4-4-2]へスイッチしたうえで、さらに中盤をワンボランチにホナウドをすえるダイヤモンド型へ変えた。
しかし、75分にオーストラリア代表FWミッチェル・デュークのシュートが右ポストを叩くなど、町田が優位に立っていた流れは変わらない。86分にFW荒木駿太、アディショナルタイムの91分には藤尾のシュートがともに右ポストに阻まれた。自戒の念を込めて秋葉監督が続けた。
「前に人数を割いて攻撃に舵を切った分、ワンボランチの脇が空いてしまった。あとは監督が勝ち点3を欲張りにいった意図を選手も感じ取っていたはずですし、だからこそあそこで切らずに繋ごうとした(吉田の)プレーを選択させてしまった。アウェイだったし、勝ち点1を持って帰るだけでも違ったのに、選手たちに悔しい思いをさせてしまった。本当に申し訳なかったと思っています」
3年間指揮を執ってきた水戸ホーリーホックを昨シーズン限りで退団した秋葉監督は昨年11月、2度目のJ2降格を喫した清水のヘッドコーチに就任した。しかし、引き続き指揮を執るゼ・リカルド前監督のもと、1年でのJ1復帰を目指したはずの清水がなかなか波に乗れない。
まさかの5試合連続ドローと大きく出遅れ、さらに続くザスパクサツ群馬戦とヴァンフォーレ甲府戦で連敗。開幕から7戦連続未勝利とクラブワースト記録を更新した直後の4月3日に、清水はゼ・リカルド前監督の解任と秋葉ヘッドコーチの新監督昇格を決断した。