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Jリーグ 2年前

清水エスパルスは“ブースト”の燃料切れか、7年前の再現か。熱血監督が追求する最適解【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

清水エスパルス指揮官が悔やんだ1つの采配ミス



 前半に町田が先制し、すかさず清水が同点に追いつく白熱の攻防は、5分が表示された後半アディショナルタイム、そのラストワンプレーで決着がつくドラマチックな幕切れとなった。

 十八番とするロングスローの流れから町田がクロスを左右からあげ、清水が必死にはね返した直後だった。清水が収めたボールを大きく蹴り出せば、おそらく試合はそのままドローで終わっていた。しかし、DF吉田豊が自陣のペナルティーエリア左側から繋ぐプレーを選択した。

 ターゲットは10mほど前にいたMF宮本航汰。しかし、縦パスを読んだ町田のボランチ稲葉修土が鋭い出足からインターセプト。そのまま中央へボールを持ち運び、清水のボランチ、ホナウドの激しいタックルに倒されながらもう一人のボランチ、下田北斗へボールを繋いだ。

 吉田哲朗主審はホナウドのファウルを取らずに流す。すかさず下田がペナルティーアーク付近にいたFW藤尾翔太へワンタッチパスを通す。振り向きざまに藤尾が放ったシュートは相手にブロックされたが、こぼれ球が攻め残っていたDFチャン・ミンギュの目の前に転がった。

 清水ゴールに背を向けた体勢からボールを収め、さらに反転したミンギュの眼前へ吉田が飛び込んでくる。ニアをブロックされた状況で、ミンギュは体を思い切り捻りながら右足を一閃。ファーへ飛んだ強烈な一撃が清水の守護神、権田修一の指先をかすめて左側のサイドネットに突き刺さった。

 決勝点が生まれるまでの流れを何度振り返っても、秋葉監督が自らを責めた理由は見当たらない。いったい何が采配ミスだったのか。指揮官が悔やんだのは、実は81分の選手交代だった。

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