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Jリーグ 2年前

柏レイソルは何が変わったのか? 「明確な意図」と井原正巳監督の斬新な采配【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「井原効果」はあったのか?



 結局、試合は1-1のドロー。シュート数13対3という数字を見ても分かる通り、柏にしてみれば「勝てた試合」だった。それでも1週間前に横浜FCとの下位対決に敗れ、崖っぷちに立たされたことを考えれば、このゲーム内容は自信を取り戻すという意味で十分な価値があったと見ていい。

「選手には『持っているものを全て出そう』『ミスを恐れずやれ』と試合前のミーティングでも言いました。実際に選手たちは自信を持って攻守のハードワークをやってくれた。自分のプレーに責任を持って戦ってくれたと思います」と新指揮官も前向きに言う。

 中でも、得点にダイレクトに関われる細谷の存在はやはり大きい。本人は「大迫選手は競り合いの部分でもしっかり逸らしていましたし、時間を作るところでもトップレベルだった。同じピッチでやれてスゴイ嬉しかったし、本当に勉強になった。決定機を決める冷静さも自分には足りないと感じました」と大迫との距離が遠いという印象を抱いた様子だ。

 だが、試合終盤にその大迫に体を当ててボールを奪い、カウンターの起点になるような当たりの強さも見せつけた。前線で起点になるという部分では、細谷は大迫を越えられる可能性がある選手。ここから決定力に磨きをかけ、数字を残していけば、柏の救世主にもなれるはずだ。

 彼らのプレーから「井原効果」が見て取れた神戸戦だったが、大事なのはここから。高い質と強度を維持し、結果を出さなければ、下位脱出は叶わない。勝ち点12の15位という厳しい現実をしっかりと受け止めて、柏は前に進むしかない。

(取材・文:元川悦子)

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