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三笘薫の怖さが半減…。ブライトンは正念場、己を貫く指揮官が挑む未体験の域【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

三笘薫の怖さが半減。ブライトンの厳しい現状



 デ・ゼルビ監督率いるブライトンは魅力的なチームだが、やはりこのクラブに欠けているのは経験値だ。

 ブライトンはここにきて延期分の試合が組み込まれていることもあり、かなりハードなスケジュールを強いられている。当然ながら、欧州カップ戦の常連ではないブライトンにとってこれはレアなケース。これまでビッグクラブを率いたことがないデ・ゼルビ監督にとっても、未体験の状況だ。

 そして、そもそも選手層が厚くない上に、マーチを筆頭に貴重な戦力に離脱者が多い。「今の私の仕事は1試合1試合を分析し、9日間で3試合を戦うプランを考えること」という言葉通り、デ・ゼルビ監督はマネジメントに頭を抱えている。ニューカッスル戦ではモイセス・カイセド、三笘、ペルビス・エストゥピニャンら出ずっぱりの選手のパフォーマンスレベルが明らかに高くなく、三笘に関しては怖さ半減といったところである。

 かといってニューカッスル戦でのマック・アリスターのように主力を休ませたとしても、それはそれで問題がある。同試合がそうだった通り、デ・ゼルビ監督は選手が変わったとしてもやることは徹底して変えない。そのため、クオリティーが下がるだけで効果的ではないという現象が起きる。事実、引いた相手に苦戦し続けたエバートン戦も、そもそもビルドアップがスムーズにいかなかったニューカッスル戦も、デ・ゼルビ監督は己のやり方を変えなかった。

 確固たるスタイルをガラリと変えるべき、とまでは言わないが、やられ方があまりにも似ていることもあり、もう少し柔軟な対応は見せたいところだ。ニューカッスル戦でいえば、ファン・ヘッケが厳しかったので、CBに持たせる形に固執する意味はなかっただろう。

 プレミアリーグ1年目。まだまだ経験の浅いデ・ゼルビ監督にとって、今は正念場と言えるかもしれない。

(文:小澤祐作)

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