三笘薫のタッチ数は11回…。いったいなぜ?
根本的な原因こそ異なるが、ブライトンの敗れ方は第35節のエバートン戦(1-5)とよく似ていた。
試合後にキャプテンのルイス・ダンクも言及していた通り、この日のブライトンは前半の内容が最悪だった。それが、勝敗にも大きく影響したと言える。
単純に先発メンバーが厳しかった。ブライトンはソリー・マーチ、アダム・ウェブスター、ヨエル・フェルトマン、タリク・ランプティらに加え、レヴィ・コルウィルまでもベンチ外に。さらにロベルト・デ・ゼルビ監督は、疲労を考慮してか中盤の要であるアレクシス・マック・アリスターをベンチに置いた。そのため、ウンダブ、ファクンド・ブオナノッテ、ビリー・ギルモア、ヤン・ポール・ファン・ヘッケと出場機会に恵まれているとは言い難い選手が多くスタートからピッチに立っていた。
とくに、デ・ゼルビサッカーの肝であるセンターバックとボランチが厳しかった。強さ、速さが揃うニューカッスルの強烈プレスに対して経験値の少ない右CBのファン・ヘッケはビルドアップで大苦戦し、中盤底のギルモアとパスカル・グロスも味方となかなか呼吸が合わない。その結果、GKジェイソン・スティール含め低い位置からの組み立てを目指すブライトンは自陣でのボールロストを繰り返し、叩かれ続けて2失点を喫している。
ブライトンが自陣でボールを失い続けていた事実は、前半における前線の選手のタッチ数を見ても明らかだ。CFダニー・ウェルベック、トップ下のウンダブ、サイドハーフの三笘薫とブオナノッテのタッチ数はそれぞれ20回を下回っている。三笘に関してはたったの11回だった。これでは、前半を0-2で終えるのも無理はないと言えるだろう(スタッツはデータサイト『Who Scored』を参照)。
後半1点を返して反撃ムードになりながらも、同点に追いつくほどの余力がなく、前に出たところでトドメを刺されてしまうのは、まさにエバートン戦と同じ形。過ちを繰り返してしまったのは、大いに反省するべきだろう。