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Jリーグ 2年前

浦和レッズ、新システムの生命線とは? アジア王者がJ1制覇へ、成否を分けるポイント【コラム】

シリーズ:コラム text by 河治良幸 photo by Getty Images

「4-4-2はそんなに悪くない」選手たちはどう捉えたか?



 結果的には4-3-3でボールポゼッションをベースとするガンバに対して、全体がなかなか決定的なチャンスにつなげられないまま、ロングボールを起点に先制ゴールを奪われてしまった。前半の終了間際には相手のハンドによりPKを獲得して追いつくが、スコルジャ監督は後半スタートから通常の4-2-3-1に変更。リンセンとの交代で入った伊藤敦樹がボランチに入ると、安居が2列目の中央に上がった。小泉に代わって投入された大久保智明は右サイドに。関根が左に回った。

 これで1トップの興梠が前線で深みを取りながら縦パスを引き出し、安居がどんどん前向きにフィニッシュを狙う構図ができた。この流れから大久保の嬉しい今季初ゴールで逆転に成功し、さらに安居のゴールも飛び出した。ポゼッションも前半は50%を下回っていたところから、最後は浦和が62%まで引き上げており、ガンバをほぼ圧倒という後半だった。

 それだけに、この試合では前半の4-4-2が悪く、本来の4-2-3-1が良かったという印象が残るのも仕方がない。ただ、この試合でフル出場した岩尾は「記事を見ると結構ネガティブなものもありましたけど、やってる側としてはそんなに悪いものじゃなかった」と語るように、ネガティブな捉え方をしてはいないようだ。

 浦和がトライした4-4-2のキーになるのが、3ラインの縦関係をコンパクトにしながら、いわゆるトップ下がいない分、ボランチの選手がいかにサポートして行けるかというところが生命線になる。イングランドのプレミアリーグで言うところのセントラルミッドフィールダーの要素が強い。マチェイ監督の表現で言うと「6番」より「8番」の役割が強くなるという側面は確かにある。ただ、この形にしたからと言って、やってきたこと全てが変わる訳ではない。

 ビルドアップにしても、確かにこの日は岩尾を含めたボランチの選手が、いつもより後ろに落ちて3枚回しになるようなシーンがあまり無かった。それについてはガンバの前からのプレッシャーがあまり強くはなく、センターバックの2人とGK西川周作の関係だけで、十分に出口を見つけられたということもあるようだ。

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