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【写真:Getty Images】
現所属:ベン・ホワイト、オレクサンドル・ジンチェンコ、冨安健洋、キーラン・ティアニー、セドリック・ソアレス(フラムへローン移籍)、ヌーノ・タヴァレス(マルセイユへローン移籍)
来季もベン・ホワイトとオレクサンドル・ジンチェンコが主力を務めるだろう。その一方で冨安健洋とキーラン・ティアニーの去就は不透明だ。
今季の冨安は基本的に右SBと左SBのサブ的な役割を与えられ、モハメド・サラーやジャック・グリーリッシュらリーグ屈指のWGと対峙する際に守備の強度を高めるために先発に抜擢されることもあった。前半戦のマンチェスター・シティ戦では失点に繋がるミスを犯したものの、右でも左でも高いパフォーマンスを発揮し、左では偽サイドバックの役割をティアニー以上に上手くこなしていた。複数のポジションで高いクオリティが発揮できるため、戦力として十分に計算できるが、稼働率の低さが彼の立場を難しくしている。
結果的に2シーズン続けて、最終ラインに負傷者が続出したシーズン終盤に冨安も長期離脱をしてしまい、サブとしての役割を果たせていない。アーセナルが冨安を早急に放出する必要はないだろうが、レアル・バジャドリードのイバン・フレスネダやガラタサライのサシャ・ブイが獲得リストに挙がるなど、新たな右SBの獲得に動いていることも事実だ。戦力として通年計算できない分、序列が下がる可能性がある。
昨季までは絶対的な主力だったティアニーだが、ジンチェンコ加入の影響でミケル・アルテタ監督が左SBに中央でのプレーを求めたことによって難しいシーズンとなってしまった。ジンチェンコと冨安は中盤でのプレー経験があるが、ティアニーは生粋のアップダウン型の左SBであり、中のエリアでのプレーが得意ではない。ポジショニングや判断が悪く、偽サイドバックのタスクを与えられても、“そこにいるだけ”という事象も発生していた。
アルテタ監督が引き続きティアニーに偽サイドバックの役割を求めるのであれば、移籍をした方が良いだろう。来季のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場権を獲得する可能性のあるニューカッスルや、自身をアーセナルに連れてきたウナイ・エメリ率いるアストン・ヴィラが獲得に興味を示している。大外を駆け上がってこそ良さが発揮されるこのスコットランド代表DFの去就は気になるところだ。
今季ローン移籍しているセドリック・ソアレスとヌーノ・タヴァレスは、来季も戦力としてカウントされる可能性は低いだろう。後者はマルセイユで左WBとして6得点と攻撃面で存在感を発揮したが、ジンチェンコに求められている偽サイドバックの役割を任せるほどの技術や判断力はないため、戦力として計算しづらい。両者ともに売却して、補強資金に充てることが理想だろう。