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【写真:Getty Images】
現所属:ガブリエウ・マガリャンイス、ウィリアム・サリバ、ヤクブ・キヴィオル、ロブ・ホールディング、オーストン・トラスティー(バーミンガムへローン移籍)
来季もガブリエウ・マガリャンイスとウィリアム・サリバの両選手がスタメン起用されるだろう。後者はシーズン後半戦こそ怪我で棒に振ったが、それまでのパフォーマンスは驚異的であり、彼がいなくなったことで、チームは大苦戦。改めて替えの効かない重要な存在であることに気づかされたのではないだろうか。
レギュラーCBの2人に加えて、今冬にスペツィアから加入したヤクブ・キヴィオルも残留が決定的だ。直近ではサリバの負傷の影響もあって、左利きの選手ながら右CBのポジションで出場。加入直後は危なっかしい場面があったが、最近では安定感もでてきた。同じイタリア語が話せるアンカーのジョルジーニョのサポートもあって難なくこなしている。
若いサリバやキヴィオルの台頭が目立つ一方で、在籍6シーズン目を迎えているロブ・ホールディングにとっては難しいシーズンとなってしまった。控えでも腐らずにチームに貢献しようとする姿勢は素晴らしいが、ミケル・アルテタ監督が望む最終ラインから繋ぐサッカーにはフィットできておらず、彼のビルドアップが不安定な影響で、トーマス・パーティやマルティン・ウーデゴールがサポートのためにポジションを下げる事象が多く発生した。その影響で中盤のバランスが崩れてしまっていた。
肝心な守備でも地上戦の部分では後手を踏むことが多く、プレミアリーグで先発出場した6試合では全てで失点と苦しかった。チームのスタイルに合っていないことは明白であり、オファー次第では放出の可能性もあるだろう。
また今季は右SBとして飛躍を遂げたベン・ホワイトや最終ラインであれば全ポジションで出場可能な冨安健洋もCBとしてプレー可能だ。補強ポイントとしてはキヴィオルに次ぐ4番手CBとなるが、右SBに新たな選手を獲得することでホワイトと冨安をCBのサブとして計算するか、それともマーク・グエヒ(クリスタル・パレス)やモハメド・シマカン(ライプツィヒ)、ヨシップ・シュタロ(ディナモ・ザグレブ)ら本職CBの選手を補強するか。どちらの可能性もあるだろう。
今季バーミンガム(チャンピオンシップ)へとローン移籍していたオーストン・トラスティーは、リーグ戦で44試合に出場し、同チームのサポーターが選出する年間最優秀選手に選出されている。彼を4番手CBとして計算する可能性もゼロではないが、同選手は左利きの選手であり、トップチームに3人のレフティーCBがいるのはバランスが悪い。本人の能力関係なしに、スカッドのバランス的に戦力として計算しづらいだろう。