ジローナ大苦戦。久保建英が無双する
右サイドで先発した久保は、いきなり仕事を果たす。3分、サイドバックのサポートに入ったロドリゴ・リケルメとの1対1を迎えると、細かいタッチを使いながらボックス内に侵入。そしてスピードを上げ勝負を仕掛けたところで相手のファウルを誘発し、チームに貴重なPKをもたらしている。
そして24分にも大仕事。ボックス右外でボールを持つと、相手を抜き切らずにクロス。これがファーサイドのシルバにピンポイントで合い、追加点をもたらした。
その後も久保は無双。ドリブル、ラストパス、クロス…。どれをとってもクオリティーが高く、オヤルサバルの影が薄かった中、崩しの核となっていた。
ジローナが久保対策を怠っていたわけではなかった。ミチェル監督が左SBに攻撃的なミゲル・グティエレスではなく、ハビ・エルナンデスを起用してきたのもその1つであり、サポートが遅れることがあったとはいえ、基本的に久保には2枚をつけていた。しかし、それでも久保は止まらなかった。日本人レフティーに手を焼き続けたJ・エルナンデスは60分にベンチに下がっている。
スタッツを見ても久保の輝きは圧巻だ。ボールタッチ数59回とシュート数4本はいずれもシルバに並んでチームトップの数字。ドリブル成功数4回は全体2位で、キーパス6本は全体ダントツの成績となっている(データサイト『Who Scored』を参照)。
「タケがオープンで、1対1で明確に勝っていたので、我々はそれを利用した」とはイマノル・アルグアシル監督のコメント。この言葉通り、ソシエダはチームとしてキレキレだった久保にボールを集めていた印象を受ける。決してオーバーな表現ではなく、この日のチャンスはほぼ久保からだった。