ミランの単調な攻めは続く。頼りなかったのは…
先述の通り、後半は疲労の影響もあったか、インテルはより引いて構えるようになった。そのため、ミランは前半よりもゴール前に侵入する機会が増えたが、あくまで個人頼みなのは前半から変わっていない。前線の連動性や、インテル守備陣に対する明確な狙いをピオーリ監督は最後まで用意できなかった。
ピオーリ監督は言い訳にしないはずだが、結局はレオンがいないと何もできないのが現実だ。今季の公式戦においてレオンが不在となったのは今回含めてわずか3回。その3試合全てでミランが敗れているのは、偶然ではないだろう。
また、控え組の差も大きかった。
インテルは途中からロメル・ルカク、マルセロ・ブロゾビッチ、ステファン・デ・フライ、ホアキン・コレア、ロベルト・ガリアルディーニと錚々たるメンバーを投入。とくにルカクとブロゾビッチは少ない時間でも良い働きをみせた。
対するミランの交代組は期待外れのシーズンを過ごしているディボック・オリギに、まだ違いを作り出せるレベルではないトンマーゾ・ポベガ、ピエール・カルル、今や完全なるベンチ要員のジュニオール・メシアス、そして成長過程にあるマリック・ティアウだ。ティアウは良い働きを見せたが、その他の選手は中途半端な出来。とくにメシアスは、このレベルの舞台に出てくる上でまだまだ厳しいと言わざるを得なかった。
財政的にものすごく潤っているわけではないが、やはりCLで上位を目指すならば、インテルのような選手層を最低限はもっておきたいと痛感するような結果である。ここまで勝ち上がってきたのは見事だが、CLで勝ち続けていくには、現状の厚みでは限界があるだろう。
唯一ポジティブな要素があるとすれば、この内容ながら2点差で済んだということだ。2ndレグはアウェイ扱いになるが、同じスタジアムを使用するためホームも同様。レオンが帰ってくるとなれば、逆転も不可能ではないはずだ。
(文:小澤祐作)