SB
【写真:Getty Images】
現所属:ルーク・ショー、タイレル・マラシア、ディオゴ・ダロト、アーロン・ワン=ビサカ、ブランドン・ウィリアムズ、アレックス・テレス(セビージャへローン移籍)、アルバロ・フェルナンデス(プレストンへローン移籍)
今夏にマンチェスター・ユナイテッドが左SBの補強に動くことはないだろう。ファーストチョイスのルーク・ショーは4月に新たな長期契約を結び、2番手のタイレル・マラシアは昨夏に加入したばかり。そして本職は右SBのディオゴ・ダロトもこのポジションでプレー可能と、現状の選手層で3つの選択肢がある。
さらにチャンピオンシップ(イングランド2部相当)のプレストンへローン移籍しているアルバロ・フェルナンデスもいる。この20歳のスペイン人DFは24年夏までの契約となっているが、今季のハイパフォーマンスを考えれば、来季に向けてのトップチームの合宿には呼ばれるはずだ。
その一方で、プレミアリーグでの出場が0試合のブランドン・ウィリアムズとセビージャへとローン移籍しているアレックス・テレスは放出となるだろう。これだけ充実した選手層の中に彼らが割って入る可能性は低い。両者はともに24年夏までの契約となっていることからも退団が濃厚だ。
選手が充実している左SBとは対照的に右SBには課題を残している。ダロトとアーロン・ワン=ビサカの2つのオプションがあるが、エリック・テン・ハフ監督はこのポジションをアップデートさせることを望んでいるだろう。
新戦力候補に挙がっているのがレバークーゼンでプレーする22歳のオランダ人SBジェレミー・フリンポンだ。マンチェスター・シティの下部組織出身の同選手は、セルティックを経て21年1月にドイツの強豪に加入。今季前半戦はチームが苦しむ中でもハイパフォーマンスを続け、現監督のシャビ・アロンソからも絶対的な信頼を勝ち得ている。
フリンポンはダロトとワン=ビサカにはない武器を兼ね備えている。それは圧倒的な“攻撃力”だ。今季はその攻撃力が買われて右WBとしても起用されており、31試合に出場しているブンデスリーガで8得点6アシストとDF離れのスタッツを残している。
圧倒的なスピードを誇る若きSBは、ホームグロウンの選手である上にテン・ハフ監督と同じオランダ人選手。彼を狙わない理由はないだろう。レバークーゼンは今冬にアメリカ・ミネイロから20歳の右SBアルトゥールを獲得しており、今夏よりチームに合流する予定だ。フリンポン放出の準備を着々と進めている。
また元マンチェスター・ユナイテッドのティモシー・フォス=メンサーは現在のチームメイトであり、フリンポンに対して助言をする可能性もある。今夏の移籍市場における目玉選手であることは間違いないが、同選手にとって慣れ親しんだマンチェスターのクラブということも、ユナイテッドにとっては移籍交渉において有利に働きそうだ。