中盤のバランスが戻ったアーセナル
前節チェルシー戦からミケル・アルテタ監督は、それまで固定していたスタメンを入れ替えている。今冬に加入したヤクブ・キヴィオルとジョルジーニョをそれぞれCBとアンカーの先発に抜擢したのだ。
チェルシーは前線からのプレスが緩かった上に最終ラインと中盤の距離も空いているお粗末な守備だったため、彼らの起用が効果的だったかどうかは参考にならなかったが、前線から洗練された守備を行うニューカッスル相手では彼らを起用するメリットがよくわかった。
それまでアルテタ監督が固定して起用していたCBロブ・ホールディング、アンカートーマス・パーティのセットの場合、前者がビルドアップを苦手としているため、トーマスやウーデゴールがポジションを下げてサポートせざるを得なくて、結果的にポジションのバランスが悪くなるという現象が発生していた。
キヴィオルは左利きの選手だが、ガブリエウ・マガリャンイスと併用されているため右CBとして起用されている。そのため、ボールの持ち方的に右へと展開するケースは少なく、以前と比較するとベン・ホワイトとブカヨ・サカに対して良い形でボールが入らないというデメリットがあるが、ホールディングと比較するとサポートいらずでポゼッションをすることが可能である。メンバーを入れ替えたことで、かつての中盤のバランスが戻ったのだ。
それを可能としているのがアンカーのジョルジーニョの存在だ。キヴィオルも理解できるイタリア語でのコミュニケーションに加え、トーマス以上に中盤でボールを落ち着かせることができる。ニューカッスルのハイプレスに対してもこのイタリア代表MFはボールを失わず、司令塔として機能しており、的確なポジショニングによるボール回収も目立った。