「僕にはできない」久保建英が舌を巻いたのは?
それが、スペインサッカー界の生けるレジェンド、シルバだ。
シルバは現在37歳。サッカー界では大ベテランの域にいるが、衰えなど微塵もない。マドリー相手にもスペシャルなプレーを連発した。
インサイドハーフで先発したシルバは、ポジションにとらわれず幅広いエリアに顔を出してビルドアップをサポートした。いちいちボールの持ち方が巧みで、寄せられてもまったく奪われない。そして視野が広く、味方を確実に生かすことで攻撃の流れを止めることがなかった。シルバがボールを持つだけで味方も相手も動くなど、まさに試合をコントロールしていた。
スタッツは圧巻だ。タッチ数86回、パス成功数66本、キーパス3本(うち1つはアシスト)、タックル成功数5回はいずれも両チーム最多の数字(データサイト『Who Scored』を参照)。これだけでも、プレー一つひとつのクオリティーがいかに高かったかわかるだろう。
「彼(シルバ)は崇高な試合をした。彼が今日やったようなプレーをラ・リーガでできる選手はほとんどいない。今日のようなビッグチームとの対戦だけでなく、彼は毎試合それを見せてくれている。彼のことをどう思っているか、言葉では言い表せないが、彼がいることは幸運なことだ」
スペインメディア『Relevo』によると、試合後イマノル・アルグアシル監督はシルバについてこうコメントを残していたようだ。「彼が今日やったようなプレーをラ・リーガでできる選手はほとんどいない」。これは決してオーバーな発言ではないだろう。
また、久保はシルバの存在を“スーパーギフト”と称し、「はっきりしているのは、僕は37歳であのプレーはできないということです」とコメントを残していたという。
今なお世界最高峰であり続けるシルバ。ソシエダとの契約は今季限りで満了となる予定だが、久保の更なる成長のためにも、無事に延長してほしいと願うばかりである。
(文:小澤祐作)