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天国から地獄へ…。アフリカの消えた逸材(2)出場「0」に終わったミランの神童

シリーズ:消えた逸材5人 text by 編集部 photo by Getty Images

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若くして才能を披露して高く評価された選手が、そのままスター選手として活躍し続ける保証はない。怪我やプレッシャーに苦しみコンディションを落とす選手がいれば、ピッチ外での問題で活躍の場を失っていく選手も多い。今回は大きな期待を背負いながらも、大舞台から姿を消した5人のアフリカ人選手を紹介する。


MF:ハキム・マストゥール(モロッコ)

ハキム・マストゥール
【写真:Getty Images】

MF:ハキム・マストゥール(モロッコ)
生年月日:1998年6月15日
主な在籍クラブ:ACミラン、マラガ、レッジーナ
現所属クラブ:ルネッサンス・ゼマムラ(モロッコ)


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 モロッコ人の両親のもとイタリアで生まれたハキム・マストゥールは、14歳でミランの下部組織に加入。わずか15歳でセリエAのベンチ入りを経験すると、16歳となったタイミングでミランとのプロ契約を勝ち取った。そんな同選手はとにかく足元のテクニックが高く、正確なタッチと鋭いドリブルで相手を次々と翻弄し、「神童」と称されるようにもなった。

 しかし、様々な面で未熟だったマストゥールは、流れ星の如く一瞬で表舞台から消えることになる。2015/16シーズンのマラガへのレンタル移籍が不発に終わると、翌年のズウォレへのレンタル移籍も完全に失敗。ミランに復帰した後もトップチームでの出番はまったくなかった。そして2018年夏、マストゥールはイタリアの名門を退団して活躍の場をギリシャのラミアへ。神童と言われながらも、結局ミランではトップチームでの出場が「0」だった。

 そしてギリシャでも全然活躍できなかったマストゥールは2019年3月にラミアを退団し、そこから無所属に。その約半年後にレッジーナが手を差し伸べたが、同クラブでの1年目はリーグ戦出場が1試合でプレータイムはわずか8分。在籍2年目となった20/21シーズンはリーグ前半戦でわずか190分間のプレーに留まっている。その後、2021年1月に4部のカルピにレンタル移籍したが、わずか半年後には無所属となり、2022年夏からは母国のルネッサンス・ゼマムラに在籍している。

 マストゥールは現在24歳。母国のクラブで復活する可能性はもちろんまだ否定できないが、現時点でその兆しはほぼ見えていない。カルピでも怪我により、3月中旬以降プレーできないままシーズンを終えてしまった。自身のSNSにアップされたトイレットペーパーで華麗にリフティングする様子など、技術力の高さは間違いなくピカイチなのだが…。

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【了】

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