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なぜブライトンは大勝できたのか? 三笘薫らを休ませた指揮官の思惑と敵将の誤算【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

ブライトン対策が全くできていなかったウルブス


 「責任は監督にある」

 敗れたウルブスのフレン・ロペテギ監督の試合後のコメントが全てだ。このスペイン人指揮官がゲームプランを誤ったことが、ブライトンの大勝へと繋がっている。

 各選手の距離を近くしてワンタッチ、ツータッチで相手のプレスをはがすブライトンに対して、ウルブスは選手間の距離がかなり開いていた。近い距離での“逃げ道“がないため、ブライトンの組織的なプレスを受けてしまうとビルドアップに詰まってしまい、試合開始直後からミスを誘われてショートカウンターを食らう場面が多くなった。

 結果的にブライトンの2得点目、4得点目、5得点目、6得点目はウルブスのパスミスが絡んでいる。

 またウルブスの4-4-2のプレスもブライトンにとってはプレーしやすかった。4-4-2の場合、どうしても最前線のツートップとダブルボランチの間のスペースが使われてしまう。そのためウルブスの両ボランチは高い位置までプレスを掛けるのだが、ブライトンの前線であるダニー・ウェルベックとウンダフの2人は彼らの背後まで降りてきてボールを引き出し、時間を作っていた。

 ウルブスのCBは前に出てブライトンの前線2人を潰しに出てくるのだが、彼らを捕まえることができずにサイドに展開されてしまうと完全に守備が後手を踏んでしまう。この中央で時間を作りながら相手CBを釣りだし、サイドに展開してWGとSBで数的優位を作るブライトンの攻撃が完全にハマっていた。

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