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Jリーグ 2年前

いかにして鹿島アントラーズはどん底から脱したのか? 昌子源を外した影響と立ち返る場所【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

鹿島アントラーズが取り戻した「立ち返る場所」



「新潟戦もそうだったけど、『(ボールを)握らせている』という感覚でやっていたのでそんなに怖くなかった」と植田直通が言えば、樋口も「4-4-2になってから守備面で立ち返る場所ができた。それが一番大きかった」と前向きに語る。最も慣れたシステムになったことで、選手たちは自信を持ってプレーできるようになったのは確かだ。

 もちろん前半45分間には、宇佐美にフィニッシュに持ち込まれた31分の得点機、ダワンのシュートがサイドネットを強襲した38分の決定機など、いくつかピンチもあった。が、鹿島には「前半0-0で行けば問題ない」という確固たる共通認識があった。全員が同じ方向を見て、同じ絵を描きながら戦えたことはやはり大きかった。

 迎えた48分、鹿島は樋口の左CKから待望の先制点を挙げる。背番号14の蹴ったボールはターゲットの植田を越え、ファーで待ち構えていた仲間隼斗へ。左足を振り抜いて見事にゴールネットを揺らした。

「なかなかゲームが動かない試合はセットプレーが大事。そこで点を取れるのが鹿島だと僕は鳥栖にいた頃から思っていた」と樋口はしてやったりの表情を浮かべた。まさに伝統的な得点パターンが出たことで、チームが勢いづいたのは事実だろう。

 そして64分には、鈴木優磨→ピトゥカ→名古新太郎とボールをつなぎ、右からの折り返しに鈴木が強引に飛び込んでヘッドでゴールネットを揺らした。見事な連係から2点目を奪うことに成功する。

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