驚きだった久保建英のスタッツとは?
久保がMOMに選出されたのは妥当だろう。後半ATに試合を決定づけるゴールを奪ったことはもちろん、試合後のスタッツを見ても、いかにピッチ内で存在感を放っていたかがわかる。
データサイト『Sofa Score』によると、この日の久保はシュート数3本で1得点、パス成功率60%、ドリブル成功率100%(4回中4回)、デュエル勝利数5回(6回中)というスタッツを残していたという。タッチ数15回でこの内容ならば、文句のつけどころはない。
ドリブル成功率100%というデータも表している通り、この日の久保で実に印象的だったのはボールロストの少なさだ。タッチライン際での1対1ではほとんど負けておらず、相手の脅威となり続けた。あれだけボールを失わず運ぶことができる久保は、チームにとって頼もしい存在だっただろう。
久保はフィジカル的に逞しくなったこともあるだろう、ドリブル時の緩急にキレが増しているように思う。以前は抜けきれないことも多かったが、今は違う。この日対峙したM・サンチェスは、その変化に全くついていけてなかった。
89分のフィニッシュシーンが良い例だろう。メリーノのスルーパスを受け背後に抜け出した久保は、M・サンチェスに体を寄せられながらもうまく緩急を使って無力化し、単独でシュートまで持ち込んでいる。さらに遡れば、83分にはこちらも緩急を生かしてM・サンチェスのイエローカードを誘発していた。
ますます怖さを増す久保。次戦はいよいよ、古巣であるレアル・マドリードとの対戦である。ソシエダで大きく成長した姿をみせたいところだ。
(文:小澤祐作)