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“降参”に近いアーセナルの大敗。なぜ大差? 完璧だったマンCのプランとは【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

今季のダメなところが凝縮されていたアーセナル


 アーセナルはこれまでプレミアリーグで首位を走り続けていたが、日本時間4月10日のリバプール戦を皮切りに3試合連続ドローと足踏みが続いていた。2点をリードしていた中で守り切れなかったケースやミスから失点を献上するなど、その引き分けの内容もかなり悪かった。

 アーセナルの歯車が狂い始めたのはスポルティングCPとのUEFAヨーロッパリーグ(EL)決勝トーナメント1回戦2ndレグでウィリアム・サリバが負傷離脱をしてからだろうか。それ以降は代わりにロブ・ホールディングがCBのポジションに入ったが、同選手はあまりビルドアップが得意ではないため、本来は相手FWと中盤の選手の間でボールを受けたいトーマス・パーティが最終ラインの近くでボールを触る機会が増えた。

 これにより普段は高い位置でボールを受けていたグラニト・ジャカのポジションも下がり、その影響で最適解の状況と比べると中盤のバランスが悪くなっていた。そして選手同士の距離間に狂いが生まれたことで、イージーなパスミスが急増している。

 こうしたミスは前節までも多発していたが、それは今節も変わっていなかった。

 シティ3得点目の場面は、マルティン・ウーデゴールとトーマスの間でパスが弱くなり、ケビン・デ・ブライネがパスをカットしたことが攻撃の始まりだった。

 また今季のアーセナルはシーズンを通じてセットプレー守備に難を抱えており、2失点目の場面ではこの課題が露呈。そしてスタメンを固定し過ぎたことによる“プランB”のなさも苦しかった。

今節シティ戦は今季のアーセナルの悪いところが全て詰まっていたと言っても過言ではない。

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