徹底的な“三笘薫対策”
無得点に終わった要因の一つは、三笘薫がいる左サイドからあまり決定機を作れなかったことだ。
この試合でマンチェスター・ユナイテッドは右SBにアーロン・ワン=ビサカを起用した。単純な対人戦の強さでは世界3本の指に入るイングランド人DFを三笘とマッチアップさせることで、ブライトンの左サイドからの攻撃を封じようと試みたのだ。
32分の場面はワン=ビサカの凄さがよくわかるシーンである。三笘にボールが入った時点で両者は5mほどの距離があったが、カットインからシュートを狙う日本代表FWに対して一気に距離を詰めると、長い足を駆使したタックルで、ノーファウルでボールを奪取。直後にフリオ・エンシソにミドルシュートを打たれたが、これに対しても身体を投げ出して妨害した。
その他の三笘との1対1の場面でもワン=ビサカは完勝。地上戦では6戦6勝と対人では完璧に日本代表FWを封じて見せた。
そしてもう一人、三笘に立ちはだかったのがアンカーのカゼミーロだ。
90+2分、縦に仕掛けた三笘をワン=ビサカが牽制した。すると日本代表FWは進行方向を中へと変更し、カットインからシュートを放つことを試みたが、ここでカバーリングに来たのがカゼミーロだった。
縦はワン=ビサカ、中はカゼミーロという2人掛かりでの“三笘対策“によって、マンチェスター・ユナイテッドは日本を代表するドリブラーに最後の仕事をさせなかった。